2013年
12月7日(土)〜12月23日(月・祝)
10:00 – 17:00
- 【会場】
- 鞆の津ミュージアム
- 【休 館 日】
- 12月9日(月)、16日(月)
- 【観覧料金】
- 無料
- 【主催】
- 社会福祉法人創樹会
- 【助成】
- エネルギア文化・スポーツ財団
- 【後援】
- 広島県、広島県教育委員会
福山市、福山市教育委員会
福山六方学園では、これまで障がいのある人たちの日々の創作活動を紹介する展覧会『はじめまし展』を開催してきました。
第11回展のテーマは、障がいのある人たちの存在そのものです。スリッパの向きを並べ直している人、毎日のニュースの話題を呟いている人、音楽に合わせて体を揺らしている人。福祉施設という未だベールに包まれた場所には、実に多くのユニークな人たちが過ごしています。彼らが日々生み出す行為は、絵画や陶芸などすぐに「作品」と認識できるものから、「こだわり」や「問題行動」と捉えられがちなものまで様々です。どちらも「好きなことをやりきる」という果てしない情熱を秘め、1人ひとりがその行為のスペシャリストとして誇りを持っています。障がいのある人たちは、極端な形で「自分」を持っています。彼らのように自らの衝動のままに「内側から湧き出てくる何か」を実現させていくことこそ、人がより良く生きるための大切な要素ではないでしょうか。
本展では、こうした行為を可視化させることで、1人ひとりのささやかだけれど力強い存在意義を際立たせ、世の中には多様な価値観を持つ人たちがいることに気づかせてくれます。
さぁ、自分だけの「とびっきり」を見つける旅に出よう。
『楽しい時間♪』
高木慎昌
彼はひとり砂で遊ぶ・・・ゆっくりと砂を持ち上げ、パラパラと地面に落とす・・・何度も何度もひたすら繰り返し、時には頭にも砂を落とす・・・楽しい時間だね♪・・・でも・・・頭にかけるのはやめて欲しいな♪
(櫻井優司)
『今日の出来』
矢野浩史
おもむろに衣服に手を伸ばし、口へ運ぶ。そのまま力を入れ「びりっ」「びりびりっ」と破る。そうすることによりこの形は出来上がる。時間をかけて創られるこの形は、彼しか知らない手順によって完成する。その形に同じものはないが、どれも似た形だ。衣類を引っ張ることで得る皮膚への刺激、それが彼にはたまらないのだろう。出来上がりまでの過程に究極の刺激を求めて。何枚も何枚も・・・。笑顔を浮かべながら、何枚も何枚も・・・。今日の出来はどうですか?
(山崎憲一)
『ブロックアート』
杉原侑果
彼女は、好みのブロックを手にすると凸部分や縁に歯で噛んで彫刻をしていく。そして唾をつけて模様付けをするのだ。手に取るブロックは彼女にしか分からない法則によって選ばれる。同じ色の同じ形のブロックを対に持って遊ぶことや、違う色のものを手に取りそれぞれ彫り込んでいく。ブロックをのぞいては彼女の感覚と直感によって職人のように繊細なブロックアートを繰り広げる。
(廣田育美)
『夜のお仕事』
藤井ひろ子
みんなが眠りにつく頃、彼女の仕事は始まる。毎晩、必ず横になった身体を起こしては敷パットや掛布団をくわえておしゃぶりをしている。何度身体を横に倒されても左手だけで起き上り、またおしゃぶりを始める。変形した敷パットには彼女の日々の思いがたくさん詰まっているのだろう。今晩も彼女は徹夜で夜の仕事をしている。
(亀本真央)