2001年、いまから11年前のこと。
当時、障がいのある人たちに対して
ゼロからアート活動を始めた僕にとって、
転機となるシンポジウムがありました。
それは、広島での
トヨタ・エイブルアート・フォーラムというシンポジウム。
舞台上には、服部正さんや、はたよしこさん、そして播磨靖夫さんという
そうそうたる顔ぶれの中、
真っ黒な革ジャンに革パンツ、黒のブーツでパーマいうロックアーティストのような風貌をした
男性が壇上にあがってきました。
※写真はイメージ
彼がしゃべり始めた途端、そのビジュアルとは真逆な熱すぎるトークに
一気に引き込まれていきました。
気が付くと「ころぼっくるの手―やまなみ工房の土と人」の本を手に取り
帰りの電車の中、読みあさっていました。
彼の名前は、山下完和(写真はイメージ)
動物の絵を描いてもらうのに、まず一緒に動物園へ行って楽しむ。
作品が生まれると、共に喜び感動する。
作品発表の場を呼びかけると、全国各地から仲間が集う。
いざ展覧会になると、マイクロバスを運転し、作品とスタッフを連れて現場まで駆けつける。
本展出展作家・鎌江一美さんが恋をしているのは、
もちろん山下完和さん。
鎌江一美 『まさとさん』
そんな山下完和さんが展覧会オープニングナイトに
記念トークを開催します。
福祉現場やアート活動のことなど
熱いトークになること間違いなし！
この貴重な機会、ぜひ一緒に体感しましょう！
トークイベント 「みんな大好きやで –福祉現場から生まれた表現たち-」
山下 完和 （社会福祉法人やまなみ会「やまなみ工房」施設長） ※写真はイメージ
1967生まれ 三重県伊賀市在住/高校卒業後、プー太郎として様々な職種を経た後、
1989年5月から無認可作業所「やまなみ共同作業所」に支援員として勤務。
その後1990年に「アトリエころぼっくる」を立ち上げ、利用者とともに活動する。
陶芸や絵画を中心に表現活動をしているグループ「ころぼっくる」では、
互いの人間関係や信頼関係を大切に、一人ひとりの思いやペースに沿って、伸びやかに、
個性豊かに自分らしく生きる事を目的に様々な活動に取り組む。
2008年5月からは施設長に就任し現在に至る。
聞き手/櫛野 展正(鞆の津ミュージアム アートディレクター)